基本の姿勢

    基本の姿勢と基本の動作とは

基本の姿勢(基本体)は次の4つからなる


  1. 立った姿勢:常に自然体を保持する。
    両足を程よく平行にそろえ、膝頭を締め、腰を据え、状態を正しく保ち、項をまっすぐに伸ばし、眼遣いを正しく、耳たぶが両肩に落ちるようにして軽く口を閉じ、心気を丹田におさめ、胸、肩を楽にして立つ。
    重心は足の土踏まずのやや前方に置き、両腕は自然にたれ、手に力を入れず、指を開かず、掌は心もちくぼみを持ち、軽く両腿のやや前方におく
    目は鼻頭を通して約4m先に注ぐ
    足は男子3cmの間隔を保ち、女子は両足を接する。つま先はともに開かない。
  2. 腰かけた姿勢:椅子になるべく深く腰かけ、両足を程よくそろえ、腰を据え、上体を正しく保ち、項をまっすぐに伸ばし、胸、肩を楽にする。
    両手に力を入れず、指を開かず(掌は心もちくぼみを持つ)腿の上に置き、肘を張らない。
    口は軽く閉じ、目は鼻頭を通して約3m先に注ぐ。
    椅子にかけるときは、下座の方からかけ、立つときも下座の方へ出る。
  3. 坐った姿勢(正座):両足の拇指を重ね、両膝頭の間隔は、男子は一拳、女子はなるべくつける。
    腰を据え、上体を正しく保ち、項をまっすぐに伸ばし、心気を丹田におさめ、胸、肩を楽にする。
    肘は張らず、縮めず、手に力を入れず、指を開かず腿の上に置き、指先はやや内側に向く。
    口は軽く閉じ、目は鼻頭を通して約2m先に注ぐ。
  4. 爪立って腰を下ろした姿勢(跪坐、蹲踞)(きざ、そんきょ):坐っての爪立った姿勢を跪坐といい、いつでも次の動作に移ることのできる構え。
    物を持った時は、物を持った方の膝を生かす。両手に物を持った時は主たるもの(弓矢の場合は弓)を持った方の膝を生かす。膝を立てるのではない。
    膝を生かした場合の大腿部の角度は約45度、膝頭と床との間隔は拳が入る程度。これは持った用具を体の一部と心得、生命が通っていなければならないために「生かす」という言葉を使っている。
    足は双方そろい、踵が開かないようつけ、つま先はなるべく体の内側へ入れること。

※両足をそろえたまま爪立って膝をつかずして腰を下ろした姿勢を蹲踞という。